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2015 12,28 09:03 |
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【d020】logopenic型原発性進行性失語症と軽度アルツハイマー病患者における音韻性短期記憶 ☆
「 Phonological short-term memory in logopenic variant primary progressive aphasia and mild Alzheimer's disease」 Aaron M. MeyerSarah F. SniderRachael E. ほか Cortex Vol.71, 2015, p183–189 音韻ループ障害の有無を明らかにするために、logopenic型原発性進行性失語症(lvPPA)者と軽度アルツハイマー病患者および健常者について、音韻性短期記憶課題と視空間性短期記憶課題を実施、比較したという研究。 結果、視空間性短期記憶課題では有意差はみられなかったが、lvPPAでは音韻性短期記憶課題が有意に低下していたとのこと。lvPPAは音韻ループ障害を持つという仮説通りであった、と著者らは結んでいます。 logopenic型原発性進行性失語症とは、健忘タイプ、非流暢タイプに次ぐ第三のタイプの進行性失語症と言われています。 脳血管障害による失語症の中でもある種の伝導失語が音韻性短期記憶障害によるものと考えられていますが、このタイプは伝統的に言われる入力側の障害ではなく出力側であるところがポイントです。 理論的には進行性失語でもありえますが、症状や進行具合などまだよくわからない点も多いと思われます。続報が期待されます。 PR |
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2015 12,28 09:01 |
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【a033】SECTとMAST:原発性進行性失語症の文法的能力を評価するための新しいテスト☆
「 SECT and MAST: new tests to assess grammatical abilities in primary progressive aphasia」 Ornella V. Billette, Seyed A. Sajjadi, Karalyn Patterson ほか German Centre for Neurodegenerative Diseases (DZNE), Magdeburg Site, Magdeburg, Germany ほか Aphasiology Vol 29 Issue 10, 2015, p1135-1151 原発性進行性失語症(PPA)の下位分類のために、簡単に文法的能力を評価できる文章理解テスト(SECT:聴覚バージョン・視覚バージョン)と文産生テスト(MAST)を作成、 41名のPPA患者と21名のアルツハイマー病患者、30名の健常者に実施したという研究。 結果、患者群ではSECT・MASTとも有意に低下がみられ、自発語・文の省略数との間には強い相関がみられたとのこと。 話し言葉で文法的な難しさをみることのできる簡単なテストとしてSECT・MASTは妥当と著者らは結論づけています。 SECTとMASTは話し言葉に文法的な難しさを反映することのできる簡単なテストです。 進行性失語症では文の省略はあっても文法的能力はあまり低下しないと思われており、文法的能力による下位分類が妥当かどうか分かりません。 このあたりを明らかにするためにも簡便なテストは歓迎すべきでしょう。とりあえず続報が待たれます。 |
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2015 12,14 11:12 |
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■認知症・高次脳文献レビュー Lite版
2015年12月2週号 目次 01. 認知症・・・・・・レビュー1件 02. 失語症・・・・・・レビュー2件 編集室より ※注目度を☆・☆☆・☆☆☆で表しています ◆01. 認知症 ◆ Dementia 【d019】認知症患者の急性期老年精神科での入院治療は、精神神経症状を改善させるが、機能低下を招く ☆ 「Acute Psychogeriatric Inpatient Treatment Improves Neuropsychiatric Symptoms but Impairs the Level of Functioning in Patients with Dementia」 Alanen H, Pitkänen A, Suontaka-Jamalainen K, ほか Neuropsychiatry and Geriatric Psychiatry, Administration Centre, Tampere University Hospital, Tampere University Hospital, Finland ほか Dement Geriatr Cogn Disord Vol 40, No 5-6, 2015, p290-296 行動障害を持ち急性期老年精神科入院中の認知症患者89名に、入院前後でNPI・MMSE・バーテルインデックス・ADCSADLを測定、入院の影響を調査したという研究。 結果、平均44日間の入院中に、精神神経症状のみ大幅に改善がみられたが、NPIは34.6点から19.5点に、ADLは32.2点から21.7点に低下したとのこと。 抗精神病薬・抗不安薬の用量とMMSEには変化はなかったそうです。これらから精神神経症状の薬物治療を行う際に、入院治療は薦められないと著者らは結んでいます。 確かに認知症の方では、入院時が最も元気で、入院が長引くと徐々に元気がなくなっていったり、反応が悪くなったりということが少なからずあります。 ただし同じ入院生活でも、運動や認知のリハビリを行ったり、食堂で三食を食べたり、集団で歌を歌ったりなどの活動をしている場合と、ベッドで日がな寝ている場合とでは結果が随分違うことが予測されます。 何もしないただの入院であればこのような低下は必然と言えるでしょう。活動的な入院をした場合との比較が望まれます。 ◆02. 失語症 ◆ Aphasia 【a031】 亜急性期ニューロリハビリテーションにおける失語症CI療法 ☆☆ 「 Constraint-induced aphasia therapy in subacute neurorehabilitation」 Lisbeth Frølund Kristensena*, Inger Steensiga, Anders Degn Pedersena, ほか Hammel Neurorehabilitation Centre and University Research Clinic, Denmark Aphasiology Vol 29, Issue 10, 2015, p1152-1163 脳卒中亜急性期の失語症者11名にオリジナルバージョンの失語症CI療法(CIAT)を10日間計30時間実施、修正バージョンとどちらが適しているか検討したという研究。 結果、言語機能と実生活上のコミュニケーションの改善の差は統計的に有意ではなかったが、言語機能全般には改善がみられたとのこと。 これらから亜急性期患者には修正のないオリジナルバージョンでのCIATが使用可と考えられた、と著者らは結論づけています。 失語症CI療法(constraint-induced aphasia therapy)とは、CI療法の考え方を失語症に応用したものです。 身ぶりや描画・書字などの代償戦略の使用を制限、音声言語のみでコミュニケーションをとらせることで改善を促すという考え方です。 一日あたり2〜4時間で10日間を練習に当てますが、2〜4週間で実施するバージョンもあるとのこと。 この論文によると、亜急性期はオリジナル通りで問題なかったとのことです。 上肢へのCI療法の実施には、ある程度動かせる場合にしか適応がないこと、拘束はストレスを過剰に与えないよう6時間以内にすることなど、幾つか注意点があります。 失語症CI療法の適応基準をもう少し詳しく知りたいところです。 【a032】 失文法および健忘失語の名詞・動詞呼称における提示時間と反応時間による音韻促進効果 ☆ 「 Phonological facilitation effects on naming latencies and viewing times during noun and verb naming in agrammatic and anomic aphasia」 Jiyeon Leea & Cynthia K Department of Speech, Language, and Hearing Sciences, Purdue University, USA, ほか Aphasiology Vol 29, Issue 10, 2015, p1164-1188. 30名の失文法失語症者と20名の健忘失語症者に、1)動詞と名詞の呼称課題、2)アイトラッキングパラダイムを用いた音韻誘導による呼称課題を行い、失語症における音韻促進のメカニズムの検討を行った、という研究。 結果、失文法失語症者では動詞で音韻促進効果がみられたが、健忘失語症者では名詞で音韻促進効果がみられた、とのこと。 失文法失語症と健忘失語症では音韻促進に際して異なる語彙活性化システムが働くことが示唆された、と著者らは述べています。 アイトラッキングパラダイムとは視覚提示時間をコントロールしたり視線を計測する研究方法です。 失文法失語症者で動詞、健忘失語症者で名詞に音韻促進効果がみられるというように差が生じた理由はよくわかりません。 健忘失語では名詞の想起困難が主なので動詞の方は天井効果で促進効果が出なかったのかもしれません。 失文法失語症はおそらく運動性失語と考えられます。運動性失語であれば構音プログラム過程の障害が想定されますので、健忘失語と語彙活性化システムが異なるのは当然というべきでしょう。 ─────── ◆編集室より ◆ ─────── 今号では「亜急性期ニューロリハビリテーションにおける失語症CI療法」が興味深い論文でした。 CI療法とは、健側の上肢などを拘束して使えなくしてしまうことにより、麻痺した箇所を強制的に使わせて回復を促すというリハビリ方法です。 日本では兵庫医科大学などで主に取り組まれているようですが、これを失語に応用したのが失語症CI療法です。 ジェスチャーや書字などの代用手段を使えなくして強制的に言葉を使わせることで麻痺のCI療法と同じ仕組みを実現させようという理屈です。 なんとも新しいというべきでしょう。ただし病識やコミュニケーション意欲が乏しいケース、代用手段の使用そのものが難しいケースでは使えないと思われます。 上肢同様に効果を高めるために注意すべき点が他にもありそうです。他法との併用も可能でしょう。研究の進展が望まれます。 ◎認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年12月2週号(通巻15号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ◎次号 発行予定日 2015年12月28日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。その旨必ずご了承ください。 ◎レビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク |
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2015 12,14 11:09 |
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【d019】認知症患者の急性期老年精神科での入院治療は、精神神経症状を改善させるが、機能低下を招く ☆
「Acute Psychogeriatric Inpatient Treatment Improves Neuropsychiatric Symptoms but Impairs the Level of Functioning in Patients with Dementia」 Alanen H, Pitkänen A, Suontaka-Jamalainen K, ほか Neuropsychiatry and Geriatric Psychiatry, Administration Centre, Tampere University Hospital, Tampere University Hospital, Finland ほか Dement Geriatr Cogn Disord Vol 40, No 5-6, 2015, p290-296 行動障害を持ち急性期老年精神科入院中の認知症患者89名に、入院前後でNPI・MMSE・バーテルインデックス・ADCSADLを測定、入院の影響を調査したという研究。 結果、平均44日間の入院中に、精神神経症状のみ大幅に改善がみられたが、NPIは34.6点から19.5点に、ADLは32.2点から21.7点に低下したとのこと。 抗精神病薬・抗不安薬の用量とMMSEには変化はなかったそうです。これらから精神神経症状の薬物治療を行う際に、入院治療は薦められないと著者らは結んでいます。 確かに認知症の方では、入院時が最も元気で、入院が長引くと徐々に元気がなくなっていったり、反応が悪くなったりということが少なからずあります。 ただし同じ入院生活でも、運動や認知のリハビリを行ったり、食堂で三食を食べたり、集団で歌を歌ったりなどの活動をしている場合と、ベッドで日がな寝ている場合とでは結果が随分違うことが予測されます。 何もしないただの入院であればこのような低下は必然と言えるでしょう。活動的な入院をした場合との比較が望まれます。 |
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2015 12,14 11:05 |
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【a031】 亜急性期ニューロリハビリテーションにおける失語症CI療法 ☆☆
「 Constraint-induced aphasia therapy in subacute neurorehabilitation」 Lisbeth Frølund Kristensena*, Inger Steensiga, Anders Degn Pedersena, ほか Hammel Neurorehabilitation Centre and University Research Clinic, Denmark Aphasiology Vol 29, Issue 10, 2015, p1152-1163 脳卒中亜急性期の失語症者11名にオリジナルバージョンの失語症CI療法(CIAT)を10日間計30時間実施、修正バージョンとどちらが適しているか検討したという研究。 結果、言語機能と実生活上のコミュニケーションの改善の差は統計的に有意ではなかったが、言語機能全般には改善がみられたとのこと。 これらから亜急性期患者には修正のないオリジナルバージョンでのCIATが使用可と考えられた、と著者らは結論づけています。 失語症CI療法(constraint-induced aphasia therapy)とは、CI療法の考え方を失語症に応用したものです。 身ぶりや描画・書字などの代償戦略の使用を制限、音声言語のみでコミュニケーションをとらせることで改善を促すという考え方です。 一日あたり2〜4時間で10日間を練習に当てますが、2〜4週間で実施するバージョンもあるとのこと。 この論文によると、亜急性期はオリジナル通りで問題なかったとのことです。 上肢へのCI療法の実施には、ある程度動かせる場合にしか適応がないこと、拘束はストレスを過剰に与えないよう6時間以内にすることなど、幾つか注意点があります。 失語症CI療法の適応基準をもう少し詳しく知りたいところです。 【a032】 失文法および健忘失語の名詞・動詞呼称における提示時間と反応時間による音韻促進効果 ☆ 「 Phonological facilitation effects on naming latencies and viewing times during noun and verb naming in agrammatic and anomic aphasia」 Jiyeon Leea & Cynthia K Department of Speech, Language, and Hearing Sciences, Purdue University, USA, ほか Aphasiology Vol 29, Issue 10, 2015, p1164-1188. 30名の失文法失語症者と20名の健忘失語症者に、1)動詞と名詞の呼称課題、2)アイトラッキングパラダイムを用いた音韻誘導による呼称課題を行い、失語症における音韻促進のメカニズムの検討を行った、という研究。 結果、失文法失語症者では動詞で音韻促進効果がみられたが、健忘失語症者では名詞で音韻促進効果がみられた、とのこと。 失文法失語症と健忘失語症では音韻促進に際して異なる語彙活性化システムが働くことが示唆された、と著者らは述べています。 アイトラッキングパラダイムとは視覚提示時間をコントロールしたり視線を計測する研究方法です。 失文法失語症者で動詞、健忘失語症者で名詞に音韻促進効果がみられるというように差が生じた理由はよくわかりません。 健忘失語では名詞の想起困難が主なので動詞の方は天井効果で促進効果が出なかったのかもしれません。 失文法失語症はおそらく運動性失語と考えられます。運動性失語であれば構音プログラム過程の障害が想定されますので、健忘失語と語彙活性化システムが異なるのは当然というべきでしょう。 |
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2015 11,23 06:35 |
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■認知症・高次脳文献レビュー Lite版
2015年11月4週号 目次 01. 認知症・・・・・・レビュー2件 02. 頭部外傷・・・・・レビュー1件 編集室より ※注目度を☆・☆☆・☆☆☆で表しています ◆01. 認知症 ◆ Dementia 【d017】高齢患者における認知機能測定力の向上 ☆☆ 「Improving the Measurement of Cognitive Ability in Geriatric Patients」 Lebedeva E, Gallant S, Tsai C ほか The Research Institute of the McGill University Health Centre, Canada ほか Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Vol 40 No 3-4, 2015, p148-157 著者らが開発した高齢者の認知能力の評価尺度GRACEについての続報。 GRACEは高機能な認知評価には向いていないという欠点があったため、新しく5つのアイテムを追加した結果、高いレベルの認知機能でも評価できるようになったとのことです。 GRACE(Geriatric Rapid Adaptive Cognitive Estimate)はMMSEやMoCAとも相関し、所要時間5〜10分程度で高齢者の認知機能を評価できるというテストです。 簡易で検出力が高く、しかも適応範囲が広ければ言うことなしです。特にMMSEはじめこの種のものはレベルの高い人をうまく評価できませんでした。 その欠点が本当に克服されているか、今後が注目されます。 【d018】軽度認知障害と早期認知症患者における遂行機能と転倒リスクの連合 ☆ 「The Association of Specific Executive Functions and Falls Risk in People with Mild Cognitive Impairment and Early-Stage Dementia」 van der Wardt V, Logan P, Hood V ほか Division of Rehabilitation and Ageing, School of Medicine, University of Nottingham, UK Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Vol 40 No 3-4, 2015, p178-185 軽度認知障害と認知症患者42名に五つの遂行機能テストを実施、転倒リスクとの関連を調査したという研究。 結果、転倒リスクは空間記憶能力とやや強い反応力低下に関連がみられたとのこと。転倒リスク軽減のためには空間記憶能力と反応力低下の抑制に絞るべきと著者らは結んでいます。 転倒には身体能力はもちろんですが、不用意な歩き出しとか、障害物の避け方とか、認知機能もかなり関わるということは従前から言われていました。 その流れから反応力低下や空間把握が大切というのはありそうなことですが、検討が遂行機能との関連のみというのはもの足りない印象です。 これ以外にも注意力とか同時処理とか関わりそうな要素はまだ他にもありそうです。続報が望まれます。 ◆02. 頭部外傷 ◆ Head trauma 【ht006】実用認知訓練:外傷性脳損傷者のためのリハビリテーションプログラム ☆ 「Cognitive Pragmatic Treatment: A Rehabilitative Program for Traumatic Brain Injury Individuals」 Journal of Head Trauma Rehabilitation Vol 30 Issue 5, 2015, pE14-E28 Gabbatore Ilaria, Sacco Katiuscia, Angeleri Romina Bara ほか 重度外傷性脳損傷者15名に実用認知訓練(CPT)を実施、トレーニングの前後での変化をコミュニケーション・アセスメント・バッテリー(ABaCo)などを用いて比較した研究。 結果、言語・非言語・パラ言語すべての側面における理解・産生ともに改善がみられ、終了3ヶ月後のチェックでも維持されていたとのこと。 著者らは慢性患者へのCPTプログラムの有効性を主張しています。 Cognitive Pragmatic Treatment (CPT)とは、24グループのセッションからなり、病識と遂行機能に効果的な、複数のコミュニケーションモダリティからなるプログラムとのことです。 ただやはり比較対象となる方法が設定されていないと、この方法が特異的に優れているのか、別の方法でも代替可能なのかという根本的なことがわかりません。比較検討の報告が待たれます。 ─────── ◆編集室より ◆ ─────── 今号の中では「高齢患者における認知機能測定力の向上」がやや注目されました。 これまで簡易に認知機能を評価する方法というとMMSEやMOCAが挙げられましたが、これらは主に認知症検出を基本として考えられているため、軽度認知障害や予備群である健常な高齢者の認知機能の低下傾向を把握しきれませんでした。 ここしばらくNHKスペシャルでも認知症が続けて特集されていますが、その中でもこれら予備群や初期認知症のケースが予防という観点から注目されていました。 あと10年もすれば国内の認知症と認知症予備群に入る人口は1,000万人を超えると言われています。これらの簡易な検出は非常に望まれていると言えるでしょう。 ◎認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年11月4週号(通巻14号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ◎次号 発行予定日 2015年12月14日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。その旨必ずご了承ください。 ◎レビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク |
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2015 11,23 06:32 |
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◆01. 認知症 ◆ Dementia
【d017】高齢患者における認知機能測定力の向上 ☆☆ 「Improving the Measurement of Cognitive Ability in Geriatric Patients」 Lebedeva E, Gallant S, Tsai C ほか The Research Institute of the McGill University Health Centre, Canada ほか Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Vol 40 No 3-4, 2015, p148-157 著者らが開発した高齢者の認知能力の評価尺度GRACEについての続報。 GRACEは高機能な認知評価には向いていないという欠点があったため、新しく5つのアイテムを追加した結果、高いレベルの認知機能でも評価できるようになったとのことです。 GRACE(Geriatric Rapid Adaptive Cognitive Estimate)はMMSEやMoCAとも相関し、所要時間5〜10分程度で高齢者の認知機能を評価できるというテストです。 簡易で検出力が高く、しかも適応範囲が広ければ言うことなしです。特にMMSEはじめこの種のものはレベルの高い人をうまく評価できませんでした。 その欠点が本当に克服されているか、今後が注目されます。 【d018】軽度認知障害と早期認知症患者における遂行機能と転倒リスクの連合 ☆ 「The Association of Specific Executive Functions and Falls Risk in People with Mild Cognitive Impairment and Early-Stage Dementia」 van der Wardt V, Logan P, Hood V ほか Division of Rehabilitation and Ageing, School of Medicine, University of Nottingham, UK Dementia and Geriatric Cognitive Disorders Vol 40 No 3-4, 2015, p178-185 軽度認知障害と認知症患者42名に五つの遂行機能テストを実施、転倒リスクとの関連を調査したという研究。 結果、転倒リスクは空間記憶能力とやや強い反応力低下に関連がみられたとのこと。転倒リスク軽減のためには空間記憶能力と反応力低下の抑制に絞るべきと著者らは結んでいます。 転倒には身体能力はもちろんですが、不用意な歩き出しとか、障害物の避け方とか、認知機能もかなり関わるということは従前から言われていました。 その流れから反応力低下や空間把握が大切というのはありそうなことですが、検討が遂行機能との関連のみというのはもの足りない印象です。 これ以外にも注意力とか同時処理とか関わりそうな要素はまだ他にもありそうです。続報が望まれます。 |
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2015 11,23 06:29 |
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【ht006】実用認知訓練:外傷性脳損傷者のためのリハビリテーションプログラム ☆
「Cognitive Pragmatic Treatment: A Rehabilitative Program for Traumatic Brain Injury Individuals」 Journal of Head Trauma Rehabilitation Vol 30 Issue 5, 2015, pE14-E28 Gabbatore Ilaria, Sacco Katiuscia, Angeleri Romina Bara ほか 重度外傷性脳損傷者15名に実用認知訓練(CPT)を実施、トレーニングの前後での変化をコミュニケーション・アセスメント・バッテリー(ABaCo)などを用いて比較した研究。 結果、言語・非言語・パラ言語すべての側面における理解・産生ともに改善がみられ、終了3ヶ月後のチェックでも維持されていたとのこと。 著者らは慢性患者へのCPTプログラムの有効性を主張しています。 Cognitive Pragmatic Treatment (CPT)とは、24グループのセッションからなり、病識と遂行機能に効果的な、複数のコミュニケーションモダリティからなるプログラムとのことです。 ただやはり比較対象となる方法が設定されていないと、この方法が特異的に優れているのか、別の方法でも代替可能なのかという根本的なことがわかりません。比較検討の報告が待たれます。 |
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2015 11,09 04:08 |
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■認知症・高次脳文献レビュー Lite版
2015年11月2週号 目次 01. 認知症・・・・・・レビュー1件 02. 失語症・・・・・・レビュー1件 03. 前頭葉機能ほか・・レビュー1件 編集室より ※注目度を☆・☆☆・☆☆☆で表しています ◆01. 認知症 ◆ Dementia 【d016】軽度から中程度のアルツハイマー病における神経精神症状に対する認知リハビリテーションの介入の影響 ☆ 「Impact of a cognitive rehabilitation intervention on neuropsychiatric symptoms in mild to moderate Alzheimer's disease」 Laurence Brunelle-Hamann, Stéphanie Thivierge and Martine Simard Neuropsychological Rehabilitation Vol 25 Issue 5, 2015, p677-707 15名の軽度〜中等度アルツハイマー病患者に認知リハビリを4週間施行、BPSD(行動・心理症状)の変化を調査したという研究。 結果、コントロール群では運動行動異常が増加する傾向がみられたとのこと。著者らは、今後のアルツハイマー病患者の認知リハ研究は運動行動異常の変化に注目する必要があるだろう、と結んでいます。 アルツハイマー病への認知リハビリは90年代を中心に盛んに研究されましたが、現在のところは認知機能を引き上げるよりも、主に二次的に起こる心理状態の安定化や行動異常の軽減を目的に行われることが多いように思われます。 この研究もその傾向を支持する結果となっています。 住環境や介護環境・運動や日常生活行動・薬物療法の有無など、もう少し効果に影響する要因の検討がなされれば、BPSDへの対応の手段として認知リハビリを明確に位置づけられるでしょう。 ◆02. 失語症 ◆ Aphasia 【a028】 文とそれ以上へ:軽度失語症のシングルケースセラピーの報告 ☆ 「To the sentence and beyond: a single case therapy report for mild aphasia」 Julie Hickin, Beejal Mehta and Lucy Dipper Aphasiology Vol 29 Issue 9, 2015, p1038-1061 左脳塞栓により軽度失語を呈した発症後2年の22歳女性に対し、機能障害ベース療法を週一回16セッション実施したという報告。 結果、症例はセッション終了後にシンデレラの物語叙述で複雑な文を産生することができるようになったとのこと。 機能障害ベース療法は複雑な文章生産や談話能力を向上させる可能性がある、と著者らは結んでいます。 機能障害ベース療法(Impairment-based therapies)とは、まず動詞を想起し、次いで文の構造を策定することに焦点を当てた治療法です。 我が国で行われている統語的アプローチと類似した方法といえるでしょう。 発症後2年で改善がみられたケースですが、この症例がこれまでどんな治療訓練を受けてきたか、そこの詳細が明らかにならないと、 本当に機能障害ベース療法が良かったのか、なぜ改善したのか、という話に繋がらないと思われます。もう少し情報が欲しいところです。 ◆03. 前頭葉機能ほか ◆ Frontal function & others 【f015】意識障害患者に対する音楽による認知のブースト ☆☆ 「Boosting Cognition With Music in Patients With Disorders of Consciousness」 Maïté Castro, Barbara Tillmann, Jacques Luauté, ほか Neurorehabilitation and Neural Repair vol 29 no 8, 2015, p734-742 ファーストネームで呼びかけをして脳波上反応がみられない意識障害患者13名に対し、音楽が影響するかベッドサイド脳波記録を用いて調査した研究。 結果、連続音を聴かせた後よりも好みの音楽を聴かせた後の方がファーストネームでの呼びかけに事象関連電位で良い反応がみられたとのこと。 著者らは、意識障害を有する患者の認知に音楽が有益な効果をもたらすことを初めて証明した、と述べています。 f009でレビューした「Preserved Covert Cognition in Noncommunicative Patients With Severe Brain Injury?(重度脳損傷によるコミュニケーション不可能患者のコバート認知の保持 )」 の続編のような研究です。 重度意識障害患者でもファーストネームの呼びかけには脳波上反応がみられる場合があるという事実をベースに、音楽で反応を高めたというもの。 今後反応性を高められるかどうか、音楽の他の刺激で有効なものはないか、続報が待たれます。 ─────── ◆編集室より ◆ ─────── 今号の中では「意識障害患者に対する音楽による認知のブースト」が音楽刺激の発展性への期待、という意味で注目されました。 音楽および歌は地球上のあらゆる民族が文化や言語発達の程度に関わらず全て持っていると言われています。 それだけ音楽は我々の深いところに根ざしていると考えられます。 ですので音楽は認知回復の手段として大いに期待できるのですが、昔から取り組まれている割にはなかなかはっきりしたエビデンスは得られませんでした。 おそらく条件が複雑にならざるを得なかったためと考えられますが、この研究のように対象や条件をうんと絞ることにより少しずつ明らかになっていくことでしょう。 今後が期待されます。 ◎認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年11月2週号(通巻13号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ◎次号 発行予定日 2015年11月23日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。その旨必ずご了承ください。 ◎レビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク |
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2015 11,09 04:06 |
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【d016】軽度から中程度のアルツハイマー病における神経精神症状に対する認知リハビリテーションの介入の影響 ☆
「Impact of a cognitive rehabilitation intervention on neuropsychiatric symptoms in mild to moderate Alzheimer's disease」 Laurence Brunelle-Hamann, Stéphanie Thivierge and Martine Simard Neuropsychological Rehabilitation Vol 25 Issue 5, 2015, p677-707 15名の軽度〜中等度アルツハイマー病患者に認知リハビリを4週間施行、BPSD(行動・心理症状)の変化を調査したという研究。 結果、コントロール群では運動行動異常が増加する傾向がみられたとのこと。著者らは、今後のアルツハイマー病患者の認知リハ研究は運動行動異常の変化に注目する必要があるだろう、と結んでいます。 アルツハイマー病への認知リハビリは90年代を中心に盛んに研究されましたが、現在のところは認知機能を引き上げるよりも、主に二次的に起こる心理状態の安定化や行動異常の軽減を目的に行われることが多いように思われます。 この研究もその傾向を支持する結果となっています。 住環境や介護環境・運動や日常生活行動・薬物療法の有無など、もう少し効果に影響する要因の検討がなされれば、BPSDへの対応の手段として認知リハビリを明確に位置づけられるでしょう。 |
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