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2015 06,08 19:13 |
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【a006】復唱と音読障害を伴う伝道失語のマルチモダールマッピング研究 ☆☆
「A multimodal mapping study of conduction aphasia with impaired repetition and spared reading aloud」 Barbara Tomasino, Dario Marin, Marta Maieron Neuropsychologia Vol 70 April, 2015, p214-226 【a007】 経頭蓋直流刺激治療後の失読症成人における改善読解力の測定 ☆☆☆ 「Improved reading measures in adults with dyslexia following transcranial direct current stimulation treatment」 Inbahl Heth, Michal Lavidor Neuropsychologia Vol 70 April, 2015, p107-113 発達性難読症(ディスレクシア)の成人を経頭蓋直流刺激(tDCS)を実施した群と偽の刺激を行った群に分け、効果を調査した研究。刺激部位はMT/V5野で2週間5セッション実施した結果、経頭蓋直流刺激群は大幅に音読速度と流暢性に改善がみられたとのこと。この部位が読みに重要であり、少なくとも経頭蓋直流刺激で音読速度と流暢性を改善させられると著者らはしています。 tDCSは頭に1-2mA程度の弱い直流電流を5-30分程度通すことにより神経活動を賦活する治療法です。従来のrTMSと補完的に使用し、脳卒中やうつ病、片頭痛のような多様な病態の治療とリハ効果を高めるための方法として応用と研究が広まっています。これまで前頭前野を刺激して言語流暢性が改善したという報告はありましたが、読みの改善のために側頭頭頂部にあるMT/V5野を刺激したという報告はありませんでした。MT/V5野は視覚の連合野ですが、視覚言語の中枢といわれている角回がその周辺にあるので、その部位を選択したのでしょう。選択は適切であったといえそうです。トム・クルーズやスピルバーグをはじめとして難読症でお悩みの方はかなりいらっしゃいます。リハとの組み合わせ効果など続報が大変期待されます。 【a008】「数唱や無意味音列の復唱は可能であるが複数単語の復唱に困難を示した失語症例 ~言語性短期記憶についての一考察~」 ☆ 宮崎 泰広、藤代 裕子、今井 眞紀、ほか 高次脳機能研究 34卷1号、2014、p17-25 PR |
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2015 06,08 19:12 |
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【f006】多発性硬化症における体力と認知機能との関連 ☆
「Association Between Physical Fitness and Cognitive Function in Multiple Sclerosis Does Disability Status Matter?」 Brian M. Sandroff, Lara A. Pilutti, Ralph H. B. Benedict, ほか Neurorehabilitation and Neural Repair Vol 29 March/April, 2015, p214-223 |
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2015 06,08 19:11 |
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【ht002】 高齢者における外傷性脳損傷後の脳卒中発症率 ☆
「Stroke Incidence Following Traumatic Brain Injury in Older Adults」 Albrecht Jennifer S, Liu, Xinggang, Smith Gordon S, ほか Journal of Head Trauma Rehabilitation Vol 30 Issue 2, 2015, p62-67 |
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2015 05,25 11:34 |
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認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月4週号 毎月第2・第4月曜日発行 発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2015年5月4週号 目次】 ■□■□■□■□■□■□■□■□■ 01. 注意・記憶系・・・レビュー1件 02. 認知症・・・・・・レビュー1件、タイトル2件 03. 失語症・・・・・・レビュー1件、タイトル2件 04. 前頭葉機能ほか・・タイトル3件 編集室より ■□■□■□■□■□■□■□■□■ ※注目度を☆で表しています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆01. 注意・記憶系◆ Attention & Memory ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【am003】 半側空間無視症状の客観的把握のための評価ツールの開発☆☆☆ 河島 則天、鴨志田 敦史、中川 雅樹、ほか 総合リハ 43巻 3号、2015、p251–257 半側空間無視の評価ツールとして色や点滅によって無視空間への注意を促しタッチパネルで操作できるアプリを試作、右半球病変脳卒中患者8名に試用したという研究。結果、色・点滅・順序性によって見落とし数,所要時間が変化した、とのこと。著者らは反応時間の空間分布特性を評価することで,無視症状の客観的把握と軽微な無視症状検出が可能と結んでいます。 順序や刺激密度によって見落としの程度が変わることはこれまでにも知られていましたが、色や点滅というのは刺激として新しいと思います。タッチ式のアプリというのも利便性やデータ収集・解析を考えると非常に発展性があります。欲を言えば現実場面では人や車などの動的な対象への注意が安全面からも欠かせませんが、おそらく動的なものと静的なものでは無視の度合いも異なるでしょうから、ぜひこれに動的な対象も加えて欲しいものです。静的な対象との比較データがあると興味深いですね。まだデータ数が圧倒的に少ないようですが、多量のデータを集め完成度を高めていただければ、評価ツールとしてだけでなく、自主トレーニング機器としてなど今後大きな展開が期待できると思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆02. 認知症 ◆ Dementia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【d004】身体活動とよりよい服薬コンプライアンスは、高齢者のMMSEスコアを改善する☆ Physical Activity and Better Medication Compliance Improve Mini-Mental State Examination Scores in the Elderly Guimarães F.C.a、Amorim P.R、Reis F.F.a、ほか Dementia and Geriatric cognitive disorder Vol.39, 2015, p25-31 【d005】「記憶の城」:アルツハイマー病における自伝的記憶のための認知トレーニングプログラムからの新しい洞察 ☆☆ “The Castle of Remembrance”: New insights from a cognitive training programme for autobiographical memory in Alzheimer's disease Jennifer Lalanne, Thierry Gallarda and Pascale Piolino Neuropsychological Rehabilitation Vol.25, Issue 2, 2015, p254-282 【d006】遅くなく速い。健忘傾向の軽度認知障害患者の既知感の保持☆ Fast, but not slow, familiarity is preserved in patients with amnestic mild cognitive impairment Gabriel Besson, Mathieu Ceccaldi, Eve Tramoni, ほか Cortex Vol.65, April, 2015, p36-49 健忘傾向のある軽度認知障害患者19例と健常群22名にエピソードのYes-No再認課題を行い、エピソード記憶のうちの詳細情報と既知感のどちらが保持されるかを調べた研究。結果、健忘軽度認知障害患者はエピソードの詳細は覚えていないものの既知感は保持されており反応時間も速かったとのことでした。著者らは既知感が保たれているのは既知感が潜在記憶と顕在記憶の境界の存在だからではないか、と結んでいます。 エピソードの記憶は「いつ」「どこで」などのエピソードの詳細情報(recollection)の部分と、経験したことがあるか否かという既知感(familiarity)の部分から構成されるとされており、高齢者では詳細情報は忘れても既知感は保たれることが近年わかってきました。これはそれを認知障害例で調査した研究です。やはり同傾向だったということで、予測通りの結果というべきでしょう。反応時間が健常群より速かったそうで、著者らは健常群には難しすぎたためではないかとしていますが、となると課題の難易度設定に検討の余地がありそうです。それはともかくとして、エピソード記憶の詳細情報が既知感と全く別に保持されているとすると、既知感を強化しても詳細情報に影響しうるのかどうか、さらに他の記憶や認知機能、日常行動にもどう影響するか、このあたりは全く未知数です。とりあえず研究が進むのを待つしかありません。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆03. 失語症 ◆ Aphasia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【a003】失語症者との会話における具体化練習としての指差し☆ Pointing as an embodied practice in aphasic interaction Anu Klippi Aphasiology Vol.29, Issue 3, 2015, p337-354 【a004】会話に焦点を当てた失語症セラピー:文法障害に対する工夫の検討☆ Conversation focused aphasia therapy: investigating the adoption of strategies by people with agrammatism Suzanne Beeke, Firle Beckley, Fiona Johnson,ほか Aphasiology Vol.29, Issue 3, 2015, p355- 377 失語症者と会話パートナーによる会話セラピーの6ヶ月の経過を追った研究。評価のためのプレセラピー期、セラピー期、フォローアップのためのポストセラピー期の3期8週ごとに分けられています。結果、1例は会話の質・量ともに変化を示したが、1例は量的な変化のみを示し、両例とも会話パートナーの行動に障壁的な行動の減少がみられたとのことです。これらから会話セラピーは工夫による困難の低減というよりは、会話パートナーの障壁的な行動の減少と思われた、と著者らは結んでいます。 言語聴覚士が会話で改善を図ろうとするやり方は日本では随分下火になってしまいましたが、1970年代にはかなり中心的な方法でした。問題は話者の技量を要することで、それを広めることが難しく下火になっていったと思われます。今は会話パートナーを言語聴覚士が養成することで実用コミュニケーションをアップさせようというやり方に変化しています。会話パートナーが長く綿密に患者と付き合うことで会話パートナーの技量が向上しコミュニケーションが促進されるという仕組みになっています。この研究結果もそれを表しています。ただ会話パートナーによる会話セラピーを推すなら他のセラピーを行った比較対象が欲しいところです。 【a005】 左側頭頭頂葉皮質下出血により失語症を呈した慢性期症例に対する音韻符号化訓練ーSelf-generated cueとしての五十音表活用☆ 鈴木 恒輔 言語聴覚研究 12巻 1号、2015、p33-41 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆04. 前頭葉機能ほか ◆ Frontal function & others ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【f003】 模擬的買い物訓練が要介護高齢者の認知機能に与える影響☆ 小枝 周平、澄川 幸志、小池 祐士、ほか 作業療法ジャーナル 49巻 4号、2015、p361-367 【f004】 立方体透視図模写の定量的採点法の開発 ―当院脳神経外科患者による描画から―☆ 依光 美幸、塚田 賢信、渡邉 康子、ほか 高次脳機能研究 33卷 1号、2013、p12-19 【f005】 パーキンソン病・アルツハイマー病における時間認知障害☆☆ 本間 元康、黒田 岳志、二村 明徳、ほか BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 67巻 3号、2015、p297-302 ────────────────────────── ◆編集室より ◆ ────────────────────────── 今号で取り上げた論文の中では「半側空間無視症状の客観的把握のための評価ツールの開発」が最も先進的で今後の発展が期待できる注目論文と言えるでしょう。同じリハビリプログラムを実施していても、練習量が違うと効果に差が出ることが近年の研究で分かってきています。いかに練習時間を確保するか、それが大きな鍵となってきますが、現状ではマンツーマンのリハビリには色々な制約があり、足りない時間は自主トレーニングで補うのが最も現実的な方法です。その自主トレーニングをいかに確実にしかも有効に行うか、これがリハビリ効果を高めるために今後求められていくでしょう。そのためのツールとしてのタブレット端末や携帯通信機器を使った自主トレーニング方法は大きな可能性を秘めています。 なおレビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 ところで掲載レビューの全てをご覧いただける当メルマガのfullsize版ですが、通常月額540円のところ、ただ今、創刊記念特別価格として月額270円とさせていただいております。この機会にぜひfullsize版をご購読下さい。 お申し込みは http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ より。 ◎次号 発行予定日 2015年6月8日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。 その旨必ずご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月4週号 (通巻2号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ─────────────────────────── ◎普段忙しくて認知症・高次脳機能障害の医療・看護・リハビリ関連の 文献に 目を通すことができない医療・福祉職の方へ、主な和・洋文献から 注目の 最新論文を意義や背景を解説しつつご紹介するメルマガです。 ブラッシュアップ・キャリアアップにお役立て下さい。 ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com ◎fullsize版では掲載レビューの全てをご覧いただけます。 月額540円(1号当たり270円)。 申し込み月無料。 キャンセルも簡単にできます。 ◎月単位でバックナンバーもご購入いただけます。 バックナンバー掲載レビューのリストはこちら → http://brainmailnews.asukablog.net/ バックナンバーご購入はこちら → http://www.mag2.com/m/0001654905.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク |
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2015 05,25 10:53 |
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【am003】 半側空間無視症状の客観的把握のための評価ツールの開発☆☆☆
河島 則天、鴨志田 敦史、中川 雅樹、ほか 総合リハ 43巻 3号、2015、p251–257 半側空間無視の評価ツールとして色や点滅によって無視空間への注意を促しタッチパネルで操作できるアプリを試作、右半球病変脳卒中患者8名に試用したという研究。結果、色・点滅・順序性によって見落とし数,所要時間が変化した、とのこと。著者らは反応時間の空間分布特性を評価することで,無視症状の客観的把握と軽微な無視症状検出が可能と結んでいます。 順序や刺激密度によって見落としの程度が変わることはこれまでにも知られていましたが、色や点滅というのは刺激として新しいと思います。タッチ式のアプリというのも利便性やデータ収集・解析を考えると非常に発展性があります。欲を言えば現実場面では人や車などの動的な対象への注意が安全面からも欠かせませんが、おそらく動的なものと静的なものでは無視の度合いも異なるでしょうから、ぜひこれに動的な対象も加えて欲しいものです。静的な対象との比較データがあると興味深いですね。まだデータ数が圧倒的に少ないようですが、多量のデータを集め完成度を高めていただければ、評価ツールとしてだけでなく、自主トレーニング機器としてなど今後大きな展開が期待できると思います。 |
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2015 05,25 10:48 |
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【a003】失語症者との会話における具体化練習としての指差し☆
Pointing as an embodied practice in aphasic interaction Anu Klippi Aphasiology Vol.29, Issue 3, 2015, p337-354 【a004】会話に焦点を当てた失語症セラピー:文法障害に対する工夫の検討☆ Conversation focused aphasia therapy: investigating the adoption of strategies by people with agrammatism Suzanne Beeke, Firle Beckley, Fiona Johnson,ほか Aphasiology Vol.29, Issue 3, 2015, p355- 377 失語症者と会話パートナーによる会話セラピーの6ヶ月の経過を追った研究。評価のためのプレセラピー期、セラピー期、フォローアップのためのポストセラピー期の3期8週ごとに分けられています。結果、1例は会話の質・量ともに変化を示したが、1例は量的な変化のみを示し、両例とも会話パートナーの行動に障壁的な行動の減少がみられたとのことです。これらから会話セラピーは工夫による困難の低減というよりは、会話パートナーの障壁的な行動の減少と思われた、と著者らは結んでいます。 言語聴覚士が会話で改善を図ろうとするやり方は日本では随分下火になってしまいましたが、1970年代にはかなり中心的な方法でした。問題は話者の技量を要することで、それを広めることが難しく下火になっていったと思われます。今は会話パートナーを言語聴覚士が養成することで実用コミュニケーションをアップさせようというやり方に変化しています。会話パートナーが長く綿密に患者と付き合うことで会話パートナーの技量が向上しコミュニケーションが促進されるという仕組みになっています。この研究結果もそれを表しています。ただ会話パートナーによる会話セラピーを推すなら他のセラピーを行った比較対象が欲しいところです。 【a005】 左側頭頭頂葉皮質下出血により失語症を呈した慢性期症例に対する音韻符号化訓練ーSelf-generated cueとしての五十音表活用☆ 鈴木 恒輔 言語聴覚研究 12巻 1号、2015、p33-41 |
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2015 05,25 10:46 |
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【f003】 模擬的買い物訓練が要介護高齢者の認知機能に与える影響☆
小枝 周平、澄川 幸志、小池 祐士、ほか 作業療法ジャーナル 49巻 4号、2015、p361-367 【f004】 立方体透視図模写の定量的採点法の開発 ―当院脳神経外科患者による描画から―☆ 依光 美幸、塚田 賢信、渡邉 康子、ほか 高次脳機能研究 33卷 1号、2013、p12-19 【f005】 パーキンソン病・アルツハイマー病における時間認知障害☆☆ 本間 元康、黒田 岳志、二村 明徳、ほか BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 67巻 3号、p297-302 |
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2015 05,23 11:53 |
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【d004】身体活動とよりよい服薬コンプライアンスは、高齢者のMMSEスコアを改善する☆
Physical Activity and Better Medication Compliance Improve Mini-Mental State Examination Scores in the Elderly Guimarães F.C.a、Amorim P.R、Reis F.F.a、ほか Dementia and Geriatric cognitive disorder Vol.39, 2015, p25-31 【d005】「記憶の城」:アルツハイマー病における自伝的記憶のための認知トレーニングプログラムからの新しい洞察 ☆☆ “The Castle of Remembrance”: New insights from a cognitive training programme for autobiographical memory in Alzheimer's disease Jennifer Lalanne, Thierry Gallarda and Pascale Piolino Neuropsychological Rehabilitation Vol.25, Issue 2, 2015, p254-282 【d006】遅くなく速い。健忘傾向の軽度認知障害患者の既知感の保持☆ Fast, but not slow, familiarity is preserved in patients with amnestic mild cognitive impairment Gabriel Besson, Mathieu Ceccaldi, Eve Tramoni, ほか Cortex Vol.65, April, 2015, p36-49 健忘傾向のある軽度認知障害患者19例と健常群22名にエピソードのYes-No再認課題を行い、エピソード記憶のうちの詳細情報と既知感のどちらが保持されるかを調べた研究。結果、健忘軽度認知障害患者はエピソードの詳細は覚えていないものの既知感は保持されており反応時間も速かったとのことでした。著者らは既知感が保たれているのは既知感が潜在記憶と顕在記憶の境界の存在だからではないか、と結んでいます。 エピソードの記憶は「いつ」「どこで」などのエピソードの詳細情報(recollection)の部分と、経験したことがあるか否かという既知感(familiarity)の部分から構成されるとされており、高齢者では詳細情報は忘れても既知感は保たれることが近年わかってきました。これはそれを認知障害例で調査した研究です。やはり同傾向だったということで、予測通りの結果というべきでしょう。反応時間が健常群より速かったそうで、著者らは健常群には難しすぎたためではないかとしていますが、となると課題の難易度設定に検討の余地がありそうです。それはともかくとして、エピソード記憶の詳細情報が既知感と全く別に保持されているとすると、既知感を強化しても詳細情報に影響しうるのかどうか、さらに他の記憶や認知機能、日常行動にもどう影響するか、このあたりは全く未知数です。とりあえず研究が進むのを待つしかありません。 |
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2015 05,11 13:11 |
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認知症・高次脳文献レビューLite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月2週号 毎月第2・第4月曜日発行 発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2015年5月2週号 目次】 ■□■□■□■□■□■□■□■□■ 01. 注意・記憶系・・・タイトル2件 02. 認知症・・・・・・レビュー1件、タイトル2件 03. 失語症・・・・・・レビュー1件、タイトル1件 04. 前頭葉機能ほか・・タイトル2件 05. 頭部外傷・・・・・レビュー1件 編集室より ■□■□■□■□■□■□■□■□■ ※注目度を☆で表しています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆01. 注意・記憶系◆ Attention & Memory ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【am001】「表象障害による左半側空間無視を呈した脳梗塞の1例 症例報告」☆ 高岩 亜輝子、恒藤 澄子、安部 博史、ほか BRAIN and NERVEー神経研究の進歩 67巻 3号、2015、p323–327 【am002】 展望記憶課題の誤りなし学習:記憶障害患者への実験的研究☆☆ 「Errorless learning of prospective memory: An experimental investigation in people with memory disorders」 Jessica E. Fish, Tom Manly, Michael D. Kopelman, ほか Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25 Issue 2, 2015, p159-188 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆02. 認知症 ◆ Dementia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【d001】 アルツハイマー病患者の日単位の認知と行動の変化:アルツハイマー病日単位認知行動スケールを使用しての3年間の評価☆ 「Changes in daily cognition and behavior of Alzheimer’s patients over time: A three-year evaluation using a daily cognition and behavior for Alzheimer’s disease scale」 Chieko Suzuki, Yoshie Yokote, Toru Takahashi Dementia, Vol 14 Issue 1 January, 2015, p126-135 アルツハイマー日常認知行動スケールが専門職でない介護者でも使えるか、111例のアルツハイマー患者の介護者に3年間毎日スケールを実施してもらい、他の二つの認知スケールと比較したという研究。結果、専門職でない介護者が実施したスケール点数は、プロ用の他の二つのスケールと同様の減少パターンを示したことから、このスケールは専門職でない介護者が実施しても問題ないであろう、という結論です。 認知症の評価スケールはMMSEからADASまで色々なものがありますが、こうしたものは短くすると感度が弱くなり、長くすると正確ではあるが使いにくいという宿命のような特徴を持っています。介護者でも実施できるほど簡便というのは確かに魅力的です。ただこの研究では既にアルツハイマーと診断された症例を対象としていますので、境界例や予備群とといわれる方たちに用いた場合も同じような結果が出るかどうかはわかりません。加えていえばMMSEなどはもともと認知症か否かをスクリーニングするためのもので、重症度やその後の進行具合を診るためのものではないはずですから、この評価スケールとはそもそも意図が異なっています。そこを押さえた上で検討を重ねていくことが大切でしょう。 【d002】「4-Item Memory Questionnaire(4MQ):アルツハイマー病患者家族への問診を半構造化した日常記憶障害の簡易評価尺度の作成」☆ 川瀬 量子, 加藤 梓, 佐藤 卓也, ほか 総合リハビリテーション 43巻 2号、2015、p147-152 【am003】 初期進行性失語および発語失行症の精神症状☆☆ 「Neuropsychiatric Symptoms in Primary Progressive Aphasia and Apraxia of Speech」 Singh T.D.a, Duffy J.R.a, Strand E.A.a, ほか Dementia and Geriatric cognitive disorder, Vol.39 Issue 2, 2015, p228-238 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆03. 失語症 ◆ Aphasia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【a001】慢性脳卒中患者における失語症の重大度:腹側・背側言語経路の複合切断☆☆☆ 「Aphasia Severity in Chronic Stroke Patients: A Combined Disconnection in the Dorsal and Ventral Language Pathways」 Charlotte Rosso, Patricia Vargas, Romain Valabregue, ほか Neurorehabilitation Neural Repair, Vol.29 Issue 2 March/April, 2015, p287-295 23例の慢性期失語症患者の脳損傷部位をVoxel-based法拡散テンソル画像などの構造イメージング法で分析し、ボストン失語症検査で得られた失語症重症度と比較検討した研究。結果、背側路と腹側路の交点である下前頭後頭束の損傷の有無が、病巣の体積よりも失語症の重症度に重要であることを発見した、というものです。 拡散テンソル画像というのは特殊なMRIの取り方により、脳内の線維連絡を画像化したもの。Voxel-based法はその解析法のひとつです。これにより脳内白質ネットワークの損傷を発見できるようになりました。思考や言語機能は脳内の特定の部位と言うよりは、脳内の神経ネットワークで情報を分析したり処理したりして進めているのではないか、という考え方に今はシフトしてきています。その検証を可能にしたのがこの拡散テンソル画像という方法です。これまで概ね損傷の大きさが失語症重症度に大きく関与すると考えられてきましたが、これはそれを覆す研究。もう少し症例数を集めたいところです。今後が非常に期待されます。 【a002】「失語症者のオノマトペ使用に関して」☆ 橋本 幸成, 村尾 治彦, 馬場 良二, ほか 言語聴覚研究 11巻 4号、2014、p329–338 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆04. 前頭葉機能ほか ◆ Frontal function & others ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【f001】「両側前頭葉内側および外側面の損傷により自発性低下を呈した一症例に対する作業療法の試み」☆ 横田 由希、酒井 浩、濱中 紀成、ほか 認知リハビリテーション 2012、p35-43 【f002】 MS患者の認知リハビリテーションのゴール達成度☆ 「Goal attainment in cognitive rehabilitation in MS patients」 Kjersti Træland Hanssen, Jūratė Šaltytė Benth, Antonie Giæver Beiske, ほか Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25 Issue 1, 2015, p137-154 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆05. 頭部外傷 ◆ Head trauma ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ht001】TBIの患者におけるスマートフォンを使った長期記憶のリハビリ:参加者は何を報告するか?☆☆☆ 「Prospective memory rehabilitation using smartphones in patients with TBI: What do participants report?」 Lars Evald Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25, Issue 2, 2015, p283-297 13例の外傷性脳損傷患者に記憶の補助装置としてスマートフォンを6週間使ってもらい、使用状況や満足感・利点などの聞き取り調査を行った研究。結果、10例が使い続けており、視覚・聴覚のアラームとしての機能が最も便利で、次が一体型の記憶の補助装置としての機能が便利だったとのことだが、反面、バッテリーの持ちへの不安や故障・紛失の懸念が多く挙げられたとのことでした。著者らは記憶の補助装置としてスマートフォンは充分有用と結んでいます。 スマートフォンは確かに有用と思われます。用途は記憶の補助装置としてだけでなく、スケジュール機能と連動したアラームによる行動通知や、緊急時の連絡手段、道案内など色々と広がりが考えられます。調査で得られた懸念はもっともですが、徐々に技術的に解消されていくでしょう。後は心理的抵抗感と操作性の問題でしょうが、これも音声操作が標準的利用法になり操作が劇的に簡便化すれば解決すると思います。スマートフォン利用は今後大きく進められていくでしょう。先頃発売されたアップル・ウォッチをはじめとするスマートウォッチなどはより手軽に利用できそうです。 ────────────────────────── ◆編集室より ◆ ────────────────────────── メルマガ創刊号をお届けいたします。 今号の中では、「慢性脳卒中患者における失語症の重大度:腹側・背側言語経路の複合切断」と「TBIの患者におけるスマートフォンを使った長期記憶のリハビリ:参加者は何を報告するか?」の2つが最も先進的、かつ今後の発展が期待できる注目論文であったと思います。 前者は脳内ネットワークの画像化による脳機能の解明についての論文でしたが、これは今後もっと色々な機能について進められていくでしょう。先日も記憶機能がネットワークでなされていることが分かったというニュースが流れましたが、おそらくここ数年で急速に脳機能の解明は進むと思われます。 後者は身近なIT機器を利用したいかにも現代的な論文。テクノロジーの進歩は私達の生活の中にもどんどん浸透してきており、それは代償手段の幅をも大きく広げていくことでしょう。今後の様々な展開が期待されます。余裕がありましたら元論文もご覧ください。 本メルマガは皆様のブラッシュアップ・キャリアアップの御一助としていただくために創刊されました。それが引いては認知症のリハビリ・高次脳機能障害のリハビリの興隆に繋がりますことを編集室では願っております。 なおレビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 fullsize版では掲載レビューの全てをご覧いただけます。ぜひお申込み下さい。月額540円、申し込み月無料です。キャンセルも簡単にできます。多くの皆様のご購読をお待ちしております。 ◎次号 発行予定日 2015年5月25日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。 その旨必ずご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月2週号 (通巻1号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ─────────────────────────── ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で 選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com ◎fullsize版では掲載レビューの全てをご覧いただけます。 月額540円(1号当たり270円)。申し込み月無料。 キャンセルも簡単にできます。 こちらよりどうぞ http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ◎月単位でバックナンバーもご購入いただけます。 バックナンバー掲載レビューのリストは こちら → http://brainmailnews.asukablog.net/ バックナンバーご購入は こちら → http://www.mag2.com/m/0001654905.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク |
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2015 05,11 13:03 |
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【am001】「表象障害による左半側空間無視を呈した脳梗塞の1例 症例報告」☆
高岩 亜輝子、恒藤 澄子、安部 博史、ほか BRAIN and NERVEー神経研究の進歩 67巻 3号、2015、p323–327 【am002】 展望記憶課題の誤りなし学習:記憶障害患者への実験的研究☆☆ 「Errorless learning of prospective memory: An experimental investigation in people with memory disorders」 Jessica E. Fish, Tom Manly, Michael D. Kopelman, ほか Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25 Issue 2, 2015, p159-188 |
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