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認知症・高次脳文献レビューLite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月2週号 毎月第2・第4月曜日発行 発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【2015年5月2週号 目次】 ■□■□■□■□■□■□■□■□■ 01. 注意・記憶系・・・タイトル2件 02. 認知症・・・・・・レビュー1件、タイトル2件 03. 失語症・・・・・・レビュー1件、タイトル1件 04. 前頭葉機能ほか・・タイトル2件 05. 頭部外傷・・・・・レビュー1件 編集室より ■□■□■□■□■□■□■□■□■ ※注目度を☆で表しています ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆01. 注意・記憶系◆ Attention & Memory ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【am001】「表象障害による左半側空間無視を呈した脳梗塞の1例 症例報告」☆ 高岩 亜輝子、恒藤 澄子、安部 博史、ほか BRAIN and NERVEー神経研究の進歩 67巻 3号、2015、p323–327 【am002】 展望記憶課題の誤りなし学習:記憶障害患者への実験的研究☆☆ 「Errorless learning of prospective memory: An experimental investigation in people with memory disorders」 Jessica E. Fish, Tom Manly, Michael D. Kopelman, ほか Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25 Issue 2, 2015, p159-188 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆02. 認知症 ◆ Dementia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【d001】 アルツハイマー病患者の日単位の認知と行動の変化:アルツハイマー病日単位認知行動スケールを使用しての3年間の評価☆ 「Changes in daily cognition and behavior of Alzheimer’s patients over time: A three-year evaluation using a daily cognition and behavior for Alzheimer’s disease scale」 Chieko Suzuki, Yoshie Yokote, Toru Takahashi Dementia, Vol 14 Issue 1 January, 2015, p126-135 アルツハイマー日常認知行動スケールが専門職でない介護者でも使えるか、111例のアルツハイマー患者の介護者に3年間毎日スケールを実施してもらい、他の二つの認知スケールと比較したという研究。結果、専門職でない介護者が実施したスケール点数は、プロ用の他の二つのスケールと同様の減少パターンを示したことから、このスケールは専門職でない介護者が実施しても問題ないであろう、という結論です。 認知症の評価スケールはMMSEからADASまで色々なものがありますが、こうしたものは短くすると感度が弱くなり、長くすると正確ではあるが使いにくいという宿命のような特徴を持っています。介護者でも実施できるほど簡便というのは確かに魅力的です。ただこの研究では既にアルツハイマーと診断された症例を対象としていますので、境界例や予備群とといわれる方たちに用いた場合も同じような結果が出るかどうかはわかりません。加えていえばMMSEなどはもともと認知症か否かをスクリーニングするためのもので、重症度やその後の進行具合を診るためのものではないはずですから、この評価スケールとはそもそも意図が異なっています。そこを押さえた上で検討を重ねていくことが大切でしょう。 【d002】「4-Item Memory Questionnaire(4MQ):アルツハイマー病患者家族への問診を半構造化した日常記憶障害の簡易評価尺度の作成」☆ 川瀬 量子, 加藤 梓, 佐藤 卓也, ほか 総合リハビリテーション 43巻 2号、2015、p147-152 【am003】 初期進行性失語および発語失行症の精神症状☆☆ 「Neuropsychiatric Symptoms in Primary Progressive Aphasia and Apraxia of Speech」 Singh T.D.a, Duffy J.R.a, Strand E.A.a, ほか Dementia and Geriatric cognitive disorder, Vol.39 Issue 2, 2015, p228-238 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆03. 失語症 ◆ Aphasia ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【a001】慢性脳卒中患者における失語症の重大度:腹側・背側言語経路の複合切断☆☆☆ 「Aphasia Severity in Chronic Stroke Patients: A Combined Disconnection in the Dorsal and Ventral Language Pathways」 Charlotte Rosso, Patricia Vargas, Romain Valabregue, ほか Neurorehabilitation Neural Repair, Vol.29 Issue 2 March/April, 2015, p287-295 23例の慢性期失語症患者の脳損傷部位をVoxel-based法拡散テンソル画像などの構造イメージング法で分析し、ボストン失語症検査で得られた失語症重症度と比較検討した研究。結果、背側路と腹側路の交点である下前頭後頭束の損傷の有無が、病巣の体積よりも失語症の重症度に重要であることを発見した、というものです。 拡散テンソル画像というのは特殊なMRIの取り方により、脳内の線維連絡を画像化したもの。Voxel-based法はその解析法のひとつです。これにより脳内白質ネットワークの損傷を発見できるようになりました。思考や言語機能は脳内の特定の部位と言うよりは、脳内の神経ネットワークで情報を分析したり処理したりして進めているのではないか、という考え方に今はシフトしてきています。その検証を可能にしたのがこの拡散テンソル画像という方法です。これまで概ね損傷の大きさが失語症重症度に大きく関与すると考えられてきましたが、これはそれを覆す研究。もう少し症例数を集めたいところです。今後が非常に期待されます。 【a002】「失語症者のオノマトペ使用に関して」☆ 橋本 幸成, 村尾 治彦, 馬場 良二, ほか 言語聴覚研究 11巻 4号、2014、p329–338 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆04. 前頭葉機能ほか ◆ Frontal function & others ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【f001】「両側前頭葉内側および外側面の損傷により自発性低下を呈した一症例に対する作業療法の試み」☆ 横田 由希、酒井 浩、濱中 紀成、ほか 認知リハビリテーション 2012、p35-43 【f002】 MS患者の認知リハビリテーションのゴール達成度☆ 「Goal attainment in cognitive rehabilitation in MS patients」 Kjersti Træland Hanssen, Jūratė Šaltytė Benth, Antonie Giæver Beiske, ほか Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25 Issue 1, 2015, p137-154 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆05. 頭部外傷 ◆ Head trauma ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【ht001】TBIの患者におけるスマートフォンを使った長期記憶のリハビリ:参加者は何を報告するか?☆☆☆ 「Prospective memory rehabilitation using smartphones in patients with TBI: What do participants report?」 Lars Evald Neuropsychological Rehabilitation, Vol 25, Issue 2, 2015, p283-297 13例の外傷性脳損傷患者に記憶の補助装置としてスマートフォンを6週間使ってもらい、使用状況や満足感・利点などの聞き取り調査を行った研究。結果、10例が使い続けており、視覚・聴覚のアラームとしての機能が最も便利で、次が一体型の記憶の補助装置としての機能が便利だったとのことだが、反面、バッテリーの持ちへの不安や故障・紛失の懸念が多く挙げられたとのことでした。著者らは記憶の補助装置としてスマートフォンは充分有用と結んでいます。 スマートフォンは確かに有用と思われます。用途は記憶の補助装置としてだけでなく、スケジュール機能と連動したアラームによる行動通知や、緊急時の連絡手段、道案内など色々と広がりが考えられます。調査で得られた懸念はもっともですが、徐々に技術的に解消されていくでしょう。後は心理的抵抗感と操作性の問題でしょうが、これも音声操作が標準的利用法になり操作が劇的に簡便化すれば解決すると思います。スマートフォン利用は今後大きく進められていくでしょう。先頃発売されたアップル・ウォッチをはじめとするスマートウォッチなどはより手軽に利用できそうです。 ────────────────────────── ◆編集室より ◆ ────────────────────────── メルマガ創刊号をお届けいたします。 今号の中では、「慢性脳卒中患者における失語症の重大度:腹側・背側言語経路の複合切断」と「TBIの患者におけるスマートフォンを使った長期記憶のリハビリ:参加者は何を報告するか?」の2つが最も先進的、かつ今後の発展が期待できる注目論文であったと思います。 前者は脳内ネットワークの画像化による脳機能の解明についての論文でしたが、これは今後もっと色々な機能について進められていくでしょう。先日も記憶機能がネットワークでなされていることが分かったというニュースが流れましたが、おそらくここ数年で急速に脳機能の解明は進むと思われます。 後者は身近なIT機器を利用したいかにも現代的な論文。テクノロジーの進歩は私達の生活の中にもどんどん浸透してきており、それは代償手段の幅をも大きく広げていくことでしょう。今後の様々な展開が期待されます。余裕がありましたら元論文もご覧ください。 本メルマガは皆様のブラッシュアップ・キャリアアップの御一助としていただくために創刊されました。それが引いては認知症のリハビリ・高次脳機能障害のリハビリの興隆に繋がりますことを編集室では願っております。 なおレビューの中でよく分からない箇所や解説を求めたい部分がございましたら下記アドレスまでメールでお気軽にお尋ねください。QAとしてメルマガ内でお答えさせていただきます。 fullsize版では掲載レビューの全てをご覧いただけます。ぜひお申込み下さい。月額540円、申し込み月無料です。キャンセルも簡単にできます。多くの皆様のご購読をお待ちしております。 ◎次号 発行予定日 2015年5月25日(月) ◎おことわり:記事のレビューおよび解説は執筆者個人の所感であり、 必ずしも学術的な定説に従わない場合があります。 その旨必ずご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 認知症・高次脳文献レビュー Lite版 〜 忙しい医療・福祉職のための最新知識 〜 2015年5月2週号 (通巻1号) 毎月第2・第4月曜日発行 ◎発行:ブレイン・ボイス・ネットワーク http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ─────────────────────────── ◎文献レビューは注目度が高いと思われるものを編集室で 選択しております。 そのため掲載される文献の領域は毎号異なります。 ◎内容に関するご質問・お問い合わせ先: → brain.voice.net@gmail.com ◎fullsize版では掲載レビューの全てをご覧いただけます。 月額540円(1号当たり270円)。申し込み月無料。 キャンセルも簡単にできます。 こちらよりどうぞ http://brainvoicenet.aikotoba.jp/ ◎月単位でバックナンバーもご購入いただけます。 バックナンバー掲載レビューのリストは こちら → http://brainmailnews.asukablog.net/ バックナンバーご購入は こちら → http://www.mag2.com/m/0001654905.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C). ブレイン・ボイス・ネットワーク PR |
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