2024 11,23 10:56 |
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2016 04,25 06:17 |
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【f015】失行的手指模倣障害における意味の効果 ☆☆☆
「Effect of meaning on apraxic finger imitation deficits」 Achilles G.R, FinkM.H, FischerA. ほか Cognitive Neuroscience, Institute of Neuroscience and Medicine, Research Centre, Germany. Neuropsychologia February Vol.82, 2016, p74-83 失行的な手指模倣障害における意味の影響を検討するために、まず健常者45名が10種の無意味手指ジェスチャーを有意味か無意味か判定。 結果、10種のうち3つを健常者の98%が有意味と判定。その上で左脳損傷255名、左脳損傷113名、失語症者208名にジェスチャー模倣課題を実施。 結果、全例で有意味な手指ジェスチャーの方が良好であり 、特に失語の重症度と関連があった、とのこと。 動作模倣の検出には無意味ジェスチャーが検出力が高いのではないかと著者らは結んでいます。 失行のテストに手指ジェスチャーは非常によく使われますが、そこに意味があると難易度が下がってしまうという研究。 有意味では意味を手掛かりにできるので当然と思われます。 問題は、無意味と思われているジェスチャーでも人によっては意味を見いだしてできてしまうことがある、ということです。 そしてジェスチャーは文化圏によって種類も意味も異なることを我々は忘れてはなりません。ジェスチャーとは意外に奥深い存在なのです。 PR |
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2015 11,09 03:52 |
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【f015】意識障害患者に対する音楽による認知のブースト ☆☆
「Boosting Cognition With Music in Patients With Disorders of Consciousness」 Maïté Castro, Barbara Tillmann, Jacques Luauté, ほか Neurorehabilitation and Neural Repair vol 29 no 8, 2015, p734-742 ファーストネームで呼びかけをして脳波上反応がみられない意識障害患者13名に対し、音楽が影響するかベッドサイド脳波記録を用いて調査した研究。 結果、連続音を聴かせた後よりも好みの音楽を聴かせた後の方がファーストネームでの呼びかけに事象関連電位で良い反応がみられたとのこと。 著者らは、意識障害を有する患者の認知に音楽が有益な効果をもたらすことを初めて証明した、と述べています。 f009でレビューした「Preserved Covert Cognition in Noncommunicative Patients With Severe Brain Injury?(重度脳損傷によるコミュニケーション不可能患者のコバート認知の保持 )」 の続編のような研究です。 重度意識障害患者でもファーストネームの呼びかけには脳波上反応がみられる場合があるという事実をベースに、音楽で反応を高めたというもの。 今後反応性を高められるかどうか、音楽の他の刺激で有効なものはないか、続報が待たれます。 |
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2015 10,12 11:27 |
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【f014】脳卒中後の代謝、脳、身体、および認知機能へのコミュニティ運動療法の効果 ☆ ☆
「Effects of Community Exercise Therapy on Metabolic, Brain, Physical, and Cognitive Function Following Stroke」 Sarah A. Moore, Kate Hallsworth, Djordje G. Jakovljevic ほか Neurorehabil Neural Repair Vol.29 August, 2015, p623-635 50歳以上で脳血管障害後6ヶ月の40名を19週・3回/週、コミュニティベースで運動をさせる群とストレッチのみ行うコントロール群に分け、グルコース制御と脳血流、心肺機能、血圧、脂質、身体組成、脳萎縮、脳代謝、認知機能を評価し比較したという研究。 結果、内側側頭葉の血流量が運動で増加し、また灰白質の萎縮・心肺機能・拡張期血圧・コレステロールおよび認知機能も運動で改善がみられた、とのことです。 脳血管障害後の患者の生活はどうしても家に閉じこもりがちになってしまうと考えられます。そこで運動をというわけですが、運動拠点をコミュニティに設定してあるところがミソと考えられます。 これにより家から出ることになるだけでなく、近隣住民との交流も含まれる可能性があるからです。 このほど多様な効果は単に運動のためというだけでなく総合的な刺激の可能性があるのではないでしょうか。 |
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2015 09,28 13:13 |
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【f013】片麻痺の病態失認における危機意識とエラーベーストレーニング ☆
「Error-based training and emergent awareness in anosognosia for hemiplegia」 V. Moro, M. Scandola, C. Bulgarelli, ほか Neuropsychological Rehabilitation Vol 25 Issue 4, 2015, p593-616 4名の慢性期片麻痺病態失認患者に「エラーフル」または「エラー分析」のリハビリ訓練プログラムを実施したという報告です。 「エラー分析」とは特定の実行行動について戦略とエラーを分析し、その失敗の理由を議論するという方法です。結果、すべての患者で改善がみられたとのこと。 著者らは病態失認患者でも危機回避は可能、としています。 たいへん正攻法な取り組みで結果も良かったようですが、このような病態失認患者の問題はトレーニングするとその課題はクリアできるものの、他には全く広がらない、というところにあります。 トレーニング課題を増やしていってもその傾向は変わらず、そこに大きな壁があると言わざるを得ません。 この4例も特定の実行行動のトレーニングを行い、その結果が良かったということで、決して障害が軽減したわけではありません。 もっと根本からの改善を目指すならやはり注意・認知トレーニングも必要と考えられます。 |
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2015 08,24 07:28 |
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【f012】市販のビデオゲームによる低コストの認知リハビリテーションは、多発性硬化症における持続的注意と遂行機能を改善した ☆ ☆
「A Low-Cost Cognitive Rehabilitation With a Commercial Video Game Improves Sustained Attention and Executive Functions in Multiple Sclerosis: A Pilot Study 」 Laura De Giglio, Francesca De Luca, Luca Prosperini ほか Neurorehabilitation Neural Repair Vol 29, 2015, p453-461 52名のMS患者と17名のコントロール群に家庭で8週間の任天堂の脳トレゲームを行わせ、注意・処理速度・ワーキングメモリの変化を測定した研究。 結果、Stroop TestやSymbol Digit Modalities Testは有意な改善がみられ、PASATやQOL尺度でも有意ではなかったが改善がみられたとのことです。 日本でもひところ大はやりした脳トレゲームを利用した自宅トレーニング法です。これらは基本的に注意トレーニングを中心に構成されていますので、きちんと実施してもらえば、馬鹿にしたものでない、ある程度の効果はあると考えられます。 ただ対面で人が実施するのと比べると、やりやすいように大きさや操作などの工夫ができないとか、適切なタイミングで励ましたりできないとか、開始に向かって誘導できないとか、いろいろ使いにくいところがあるわけですが、それさえ問題視しなければ充分使える方法と思います。手間がかからない上に低コストはとても魅力的です。 |
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2015 08,10 07:03 |
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【f011】 「高次脳機能障害者の就労と神経心理学的検査成績との関係」☆
総合リハビリテーション 43巻 7号、2015、p653-659 高次脳機能障害29名(平均32.1歳)に3か月間の注意力の認知訓練後、就労・未就労と神経心理学的検査の下位項目との関連を調べた研究。結果、認知訓練前ではWMS-R遅延、認知訓練後ではWAIS積木の得点が高いケースが就労者に多かったとのことです。 |
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2015 07,27 06:52 |
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【f009】 重度脳損傷によるコミュニケーション不可能患者のコバート認知の保持 ☆☆
「Preserved Covert Cognition in Noncommunicative Patients With Severe Brain Injury?」 Caroline Schnakers, Joseph T. Giacino, Marianne Løvstad, ほか Neurorehabilitation Neural Repair Vol 29 May, 2015, p308-317 最小の意識状態・植物状態という条件に当てはまる126例と14名のコントロールに自分の氏名を100回聴かせ事象関連電位の変化をみた研究。結果、9例で前頭-頭頂葉に渡る広い範囲で他には見られない反応がみられたとのこと。 これらから患者は表には現れないコバート認知をしており、コミュニケーションに役立つ可能性が考えられた。 コバート認知とは自分では分からないながら、無意識に脳が情報を受け取って認知して影響を受けているということです。聴覚は五感の中でも最も保持されやすいといわれていますので、これはそれを利用した研究。 一見無反応なようでも脳波は反応しているということで、このような重度例でも快ー不快ぐらいであれば脳波から読み取って表示することができるようになるかもしれません。 【f010】「言語流暢性課題における品詞と加齢の影響」☆ ☆ 李 多晛, 澤田 陽一, 中村 光, ほか 高次脳機能研究 33卷4号、2013、p421-427 若年群(18~23歳)と高齢群(65~79歳)各35名に普通名詞・固有名詞・動詞の言語流暢性課題を実施し,品詞と加齢の影響を調べた研究。結果、高齢群は正反応数が少なく、動詞は特に少なかったとのこと。これは遂行機能の低下によるものではないかと著者らは推測しています。 |
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2015 07,13 09:46 |
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【f007】「道具把握のみに障害を呈した道具使用失行の1例 症例報告 」 ☆
早川 裕子、藤井 俊勝、山鳥 重、ほか BRAIN and NERVEー神経研究の進歩 67巻 3号、2015、p311-316 【f008】 病態失認のもうひとつの観点:ビデオ再生での自己観察による運動意識の向上 ☆ 「Another perspective on anosognosia: Self-observation in video replay improves motor awareness 」 Sahba Besharati, Michael Kopelman, enato Avesani, ほか Neuropsychological Rehabilitation Vol 25 Issue 3, 2015, p319-352 病態失認の2例に対し、急性期の1例はビデオを用いて上下肢麻痺の運動の自己観察を複数回実施、慢性期のもう1例はビデオを用いて自己および他者の上下肢麻痺の運動観察を1回のみ行ない自己観察による運動意識の向上を図ったという報告。結果、両例とも即時に劇的な効果がみられたが、一般化はされなかったとのことでした。著者らはビデオによる自己観察を、暫定的にリハビリテーションプログラムに含めることを推奨しています。 今回の研究はとにかく自己フィードバックを効かせて病識を出させようという試み。回数や刺激内容を工夫したものの根治には至らなかったようでした。病態失認はメタ認知、つまり客観的自己視という難しい概念が絡むため謎の多い症候ですが、脳機能全般に低下がないと出ないことは確かな症状であり、注意障害も必発です。結局、注意障害はなんらかの形で病態失認に絡んでおり、注意機能のアップ、引いては脳機能全般のアップがないと病態失認の改善は得られないか、得られても一時的なものに留まるという解釈が今回の研究の結果からも妥当のように思われます。単に事実を分かりやすく伝えればいいということではないことが分かる研究です。 |
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2015 06,08 19:12 |
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【f006】多発性硬化症における体力と認知機能との関連 ☆
「Association Between Physical Fitness and Cognitive Function in Multiple Sclerosis Does Disability Status Matter?」 Brian M. Sandroff, Lara A. Pilutti, Ralph H. B. Benedict, ほか Neurorehabilitation and Neural Repair Vol 29 March/April, 2015, p214-223 |
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2015 05,25 10:46 |
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【f003】 模擬的買い物訓練が要介護高齢者の認知機能に与える影響☆
小枝 周平、澄川 幸志、小池 祐士、ほか 作業療法ジャーナル 49巻 4号、2015、p361-367 【f004】 立方体透視図模写の定量的採点法の開発 ―当院脳神経外科患者による描画から―☆ 依光 美幸、塚田 賢信、渡邉 康子、ほか 高次脳機能研究 33卷 1号、2013、p12-19 【f005】 パーキンソン病・アルツハイマー病における時間認知障害☆☆ 本間 元康、黒田 岳志、二村 明徳、ほか BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 67巻 3号、p297-302 |
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