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2016 04,24 06:00 |
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【d026】前頭側頭型認知症表現型の生存率 ☆
「Survival in Frontotemporal Dementia Phenotypes: A Meta-Analysis」 Kansal K, Mareddy M, Sloane K.L. ほか Division of Geriatric Psychiatry and Neuropsychiatry, Johns Hopkins University School of Medicine, USA ほか Dementia and Geriatric cognitive disorder Vol.41, 2016, p109-122 PubMedを用い、27の研究の2462人分のデータから前頭側頭型認知症における 進行性非流暢性失語・意味性認知症・筋萎縮性側索硬化症・進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症の各タイプの生存率を調査したもの。 結果、筋萎縮性側索硬化症が2.5年で最短であった以外、他のタイプの生存率に差は見られず、年齢や性別も影響していなかったとのこと。 今後さらに潜在的な原因の探求が必要だろうと著者らは述べています。 前頭側頭型認知症と進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症は臨床的には無関係のようですが、病理的にはどちらも神経軸索内にタウ蛋白が蓄積しやすいという似た性質を持っています。 そこでこれらの生存率を比較したもの。筋萎縮性側索硬化症はいずれ呼吸筋の運動障害を起こすので生存率最短になるのでしょう。 他のものは症状の進行というよりは合併症の存在が死因となるため差が出にくいものと思われます。 【d027】アルツハイマー病、軽度認知障害と健常高齢者における記憶の自己参照効果:アイデンティティの影響」☆ 「Self-reference effect on memory in healthy aging, mild cognitive impairment and Alzheimer's disease: Influence of identity valence」 Mona Leblond, Mickaël Laisney,Virginie Lamidey ほか Laboratoire de Neuropsychologie et Imagerie de la Mémoire Humaine, Unité de Recherche Université de Caen Normandie, France. Cortex Vol.74, January, 2016, p177-190 20名の健常者と40名の高齢者(軽度認知障害20名、軽度アルツハイマー病20名)に記憶課題とアイデンティティに関するアンケートを実施、その関連を調査した研究。 結果、健常者ではアイデンティティを記憶に充分利用していたが、軽度認知障害ではポジティブな事項にのみアイデンティティを用いていたとのこと(軽度アルツハイマーのデータは分析不適格)。 これらは自尊心と自己関連記憶が保持されているためではないか、と著者らは推察しています。 アイデンティティの形成には記憶が密接に関連するためこれまで多くの研究がなされています。 ここから逆にアイデンティティの補助で記憶想起のきっかけが得られるのではと発想した研究です。 結局アルツハイマー群はデータが不充分で結論は出なかったようですが、可能性のひとつとして今後が注目されます。 PR |
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