2025 04,04 05:54 |
|
2015 09,14 05:28 |
|
【a020】失語症における動詞産生上の個人ー社会性指向グループ療法の効果 ☆
「Effects of impairment-based individual and socially oriented group therapies on verb production in aphasia」 Elizabeth Louise Hoover, David Caplan, Gloria Waters ほか Aphasiology Vol 29 Issue 7, 2015, p781-798 12名の慢性失語症者に6週間の間隔を置き個人・グループ・混合の条件で動詞訓練を行ったという研究。 結果、言語機能・コミュニケーション能力・QOLで有意な変化がみられたが、個人・グループ・混合の条件による差はなかったとのことでした。 個人訓練とグループ訓練のいずれが優れているか、というのはずっと議論されている問題です。 いまだに結論は出ておらず、今回の報告でも差はなかったとのことですが、グループにはグループの長所、個人には個人の長所があるのは間違いないと思われます。 そして外向的な人と内向的な人があるように、個々人の性質によってグループに向いているケースと個人に向いているケースがあるというのが本当のところではないでしょうか。 もうひとつ、グループ訓練はファシリテーターの技量や構成員の資質によって治療効果が大きく左右されます。 盛り上げ役やムードメーカーというような存在の有無です。そのあたりをどのようにコントロールするか。 これはこうした調査を行うには考慮されるべき重要な問題と考えられます。 【a021】 脳卒中後の早期失語症訓練:急性期と亜急性期における行動および神経生理学的変化 ☆ 「Aphasia therapy early after stroke: behavioural and neurophysiological changes in the acute and post-acute phases」 Annelies Aerts, Katja Batens, Patrick Santens, ほか Aphasiology Vol 29 Issue 7, 2015, p845-871 脳血管障害で発症した47歳中程度非流暢性失語の男性。 急性期に7週間で30時間の従来的言語訓練、亜急性期の3週間に30時間の集中的言語訓練、さらにあと3週間に30時間の第2期集中的言語訓練を実施したという研究。 それぞれの期ごとにN400およびP300の事象関連電位を測定し行動および神経生理学的変化をみています。 結果、症例はどの訓練後でも全般に事象関連電位に改善を認め、非治療期にも改善は維持されたが、N400でみると集中的言語訓練の方が従来的訓練に比べ良好であった、とのことでした。 事象関連電位 (ERP) とは、計測される脳波の中で思考や認知などの結果と考えられる波形です。 P300やN400がよく用いられ、N400 とは刺激提示から約 400 ミリ秒後に発生する陰性の電圧変位、P300 成分とは刺激提示から 300ミリ秒後に発生する陽性の電圧変位です。これが現れるとなんらかの高次脳活動がなされたということになりますが、もちろん詳細なことまではわかりません。 この研究では改善指標として事象関連電位を使っていますが、これで分かるのはあくまで何らかの高次の脳活動がみられたということだけです。 詳細は分かりませんから、やや割り引いて考える必要があります。 それでこの集中的言語訓練は3週間に30時間ですから1日平均で約1.5時間という計算になります。 比較対象になっている従来的訓練の方は7週間で30時間ですから1日平均0.6時間です。 集中的言語訓練は従来的訓練の2.5倍行っている計算になりますね。 これだけではなんともいえませんが、発症からの時期よりも実施の合計時間の方が改善要素として大きい可能性もあります。 PR |
|
忍者ブログ [PR] |